第45回:「鬼滅の刃」から読み解く、現代社会の生き抜き方とは!?

今回は絶賛大ヒット中の「鬼滅の刃」から、
現代社会の生き抜き方について読み解いてみました^^

今までの漫画と比べると、
明らかに時代が変わったことが分かります。

これから起業される方は、
この点を意識して動かれた方が、
時代に合った動きをとれることでしょう!

 

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<ラジオ書き起こし>

 

今日は、大ヒット中の「鬼滅の刃」から読み解く、現代社会の生き抜き方というお話をしてみようと思います。
「鬼滅の刃」読んだことあります?もしくは、アニメを観たことはありますか?
先日から公開されている映画も、このコロナ渦において凄まじい人気なので、観たことがある人も多いでしょうね。僕は映画はまだ観ていませんが、漫画を15巻ほど読み進めています。
で、「鬼滅の刃」がなぜこれだけヒットしているかといろいろと考えてみて気づいたことがあります。それは、現代の日本社会の状況にとてもマッチしているからだと思ったんです。そこで、鬼滅の刃から考察してみた現代社会の生き抜き方を今回のテーマにさせていただきました。
では、どのような部分が現代社会の状況っぽいのかという話をしてみますね。
まず、それ以前の漫画とは、価値観や美意識が違います。
鬼滅の刃の前に流行った漫画やアニメと言えば、「ONE PEACE」が代表的ですよね。
ご存知ない方のために少し解説しておくと、海賊漫画なんですが、主人公のルフィが「海賊王になる」という目標を掲げるんですね。そして、仲間たちの力を借りながら、その都度現れる強力な敵と戦いながら、海賊王に上り詰めていくというストーリーです。
もちろん、出てきる仲間の一人一人にも夢や目標みたいなものがあり、それらのストーリーもメインストーリーに有機的に関わっていくのですが、基本的な物語の骨子は、あくまでもルフィの「海賊王になる」というものです。
「海賊の王」になるという壮大なゴールがあるので、ダイナミックなストーリー展開になるし、日常的にはまず起こり得ないようなイベントがたくさん発生します。
それに対して、「鬼滅の刃」は、誰か一人の壮大な夢みたいなものをゴール設定にしていません。
ONE PEACE以前の漫画…例えば「ドランゴンボール」であっても、主人公、孫悟空の「強いヤツと戦いたい」みたいな想いがあって、その目線でストーリーが進んでいくわけですが、「鬼滅の刃」にはそういったものもありません。
読んでいない人に申し訳ないので、ネタバレになっちゃわないよう詳しい部分は伏せますが、主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が闘うモチベーションは、鬼になってしまった妹を人間に戻すというものです。
ONE PEACEやドランゴンボールみたいな「壮大な野望」はありません。「鬼滅の刃」に出てくる他のキャラクターにしても、個人的な悩みの葛藤や、その解決に向き合いながら鬼と戦っています。「世界を変えてやろう!」みたいな大きな野望みたいなものは、一切出てきません。
これって、視点を変えてみると、現実社会にも同じことが言えると思うんですね。
僕がまだ子供だった90年代というのは、時代的にも、「全員で一つの夢に向かって頑張る」みたいな世界観があったような気がします。モーレツ社員みたいに、会社のために死ぬまで働きます!という忠誠心が良いとされていたり、ディスコ的なところで、全員で派手に躍り狂うみたいな、、そんな強烈なリーダーが示した一つの価値観に、全員が従っている時代だったと思います。
それは、良い学校に入って、良い起業に就職する!みたいな神話もまた然りです。
一つの「正しさ」を皆んなが共有して、良くも悪くもそれを盲信して、立ち向かっていくというスタイルです。逆に言えば、従えない人間は村八分になるという、恐ろしい時代でもあるわけですが…。
ドラゴンボールを見てみても、孫悟空の夢というのは、悟空だけの理想であって、一つの在り方でしかありません。ONE PEACEのルフィの夢なんて、海賊王になる!ですからね・・(笑)どう考えても迷惑行為でしかないわけです(苦笑)
なのに、そのお話の中では、それらがとても正しいことのように描かれますし、実際、感情移入していると、なぜか迷惑行為のように感じません(笑)
ですので、90年代当時というのは、こういう一つの理想を皆んなで盲信することに疑問を覚える人は少なかったでしょうし、「良い時代だった!」と、当時を経験した大多数の人が思っていると思います。
で、僕自身、この価値観自体には何の文句はありませんし、実際、ONE PEACEもドラゴンボールの世界観はめちゃくちゃ面白いわけなんですが、もう一つの価値観として、誰か一人が作り出した強烈な理想だけに、皆んなが従う必要がないという考え方もあって、実際に、現時点での社会の方向性はそちらに傾いているように感じます。
「好きなことで食っていく」みたいなYouTuber的なコピーも、この時代っぽさを表していますよね。要するに、価値観は人の数だけあって、皆んな、自分の価値観を発信することを仕事にしちゃおう…ってことですからね。一つの神話に従う世界観とは真逆ですよね(苦笑)
でも、一見、皆んなが違うベクトルを向いているようで、その個々が、時に交わり、時に離れて…みたいに何だかんだで絡み合っていて、そういう「自然体」な感じが、個人的には、今の流れの川下に見えるんですよね。
これが、鬼滅の刃では顕著に感じられるんですよね。しかも、大ヒットしていることから、皆んなが潜在的に求めているものなんでしょうね。まだ、旧時代的な「一つの正義」や「一つの神話」に従うことを社会が求めてはくるものの、SNSなどを通じて、「自分らしく自由に生きることが出来る」んじゃないか?って、多くの人が感知し始めているんだと思うんですよね。
例えば、ONE PEACEの世界観だと、ともすれば、「海賊王になる!」というゴール以外は「敵」に見えてしまうかもしれません。これは切り口の問題なだけなんですが、こういう「正義は一つ」という価値観の現れでもあると思うんですね。でも、実際は、「正義」というのは人の数だけあって良いし、それを認め合えることこそが「平和な世の中」を作ることなんじゃないか…って、多くの人が内心思い始めてきているんだと思うんですよね。
で、そういう「正しいことは一つだけ」みたいな90年代までの価値観に疲れた層が、2000年代に入って少しずつ現れてきて、2020年現在、古い価値観と新しい価値観が拮抗するくらいのバランスになったところで、「鬼滅の刃」がヒットしたような気がしてなりません。
ちょっと前に流行った広告で、桃太郎のお話を題材にした広告がありましたが、「僕のお父さんは桃太郎というやつに殺されました」という広告、ご存知ですか?あの広告に共感した人が多かったというのも、「一つの価値観を採用する」ことへの違和感からだと思うんですね。
鬼滅の刃でも、敵キャラにも共感できる描かれ方になっています。これは、ただ悪いだけの奴っていないってことを表明しているわけですよね。そして、悪さをするようになった理由やキッカケを知ると、そこに共感して泣けるし、逆に、その敵を倒さなければいけない主人公側の想いにも涙できる…という、今までのバトル漫画にはなかった要素がたくさん散りばめられているわけですね。
で、このことから僕が言いたいことというのは、これからの目標設定は、「個人的なもの」を堂々と選んで良い時代になったよ…ということと、どんな価値観も認められやすい時代になったよ〜ということです。
昔のように、「大きな夢」や「大きな野望」じゃなければならない理由はなくなったし、その内容を恥じる必要も全くないということです。
旧世代的な価値観においては、まだまだ「そんなことばかりしていないで、もっと勉強をして、良い会社に就職した方が良いよ!」みたいなことを、一方的に言われることはあるかもしれません。でも、これは旧時代的な価値の押し付けであって、これからの時代においては、何の役にも立たない屈折した色眼鏡です。
実際、SNSのおかげで、個人の夢に人々が共感してくれるような時代になってきていますし、あなたの個人的な夢は応援されやすくなっています。あなた自身、誰かの夢に共感することも増えていると思います。
そういう世の中において、一つの価値観に縛られろという方が無理があるのです。なので、何かビジネスをするにしても、「こういうやり方じゃなければ成功しない!」みたいなことはなくなっていくと思います。そういう意味では、正解のない時代に入ったとも言えます。
でも、逆に言えば、盲目的に大きいものや声のでかい人が選ばれる時代は終わりを迎えたとも言えるのです。そういう時代においては、自分らしさを磨いていけば、例えば少数であったとしても、それに共感する誰かしらが現れる時代になってきているとも言えるわけです。この少数のお客さんを大切にするだけでも、個人がやっていくのに充分なマネタイズは出来るはずです。
あなたが学生さんなら、これからの進路は、一般的に常識とされているような価値基準で選ぶ時代ではない…と思ってください。というか、そもそも常識だと思っていたものが崩壊してきているわけですから、今後は自分の心に正直になることに集中して、自分らしい方向を見つけていく方が、確実に幸せになれるはずです。
ということで、鬼滅の刃のヒットからも分かるように、そういう時代になってきているということを念頭におきながら、お互い、自分らしく生きていきましょう!!